曹洞宗総合研究センター第24回学術大会開催報告

服部秀世宗務総長

令和4年11月1日・2日の両日、曹洞宗檀信徒会館(東京グランドホテル)を会場として曹洞宗総合研究センター第24回学術大会が開催され、2会場に分かれて36名の個人発表に加え、パパネルディスカッション、リレー発表が行われた。

令和2・3年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、論文投稿での発表としていたことから、対面での発表は3年ぶりとなった。

志部憲一総合研究センター所長

今大会は、初日午前9時30分より桜の間にて開会式が挙行され、会式にあたり服部秀世宗務総長並びに志部憲一総合研究センター所長の挨拶にて幕が開いた。

午前10時より個人発表と並行して、桜の間にてパネル発表「コロナ以後の地域社会と仏教を考える―瓜生岩と有馬実成を手掛かりに―」が開催された。この発表では、不測の事態が相次ぐ時代に宗教者の社会倫理が問われていることをとらえ、島薗進先生(大正大学地域構想研究所客員教授)、大菅俊幸先生((公社)シャンティ国際ボランティア会専門アドバイザー)より、それぞれ提談いただいた。

また、飯島惠道師(長野県東昌寺住職)より、それぞれの発表に対してコメントを頂戴した。

大菅俊幸氏によるパネル発表

午後1時からは蘭の間にて教化研修部門研究生によるリレー発表「平成以降の教化研究における傾向と課題について―『教化研修』『センター学術大会紀要』を通して―」が行われた。

『教化研修』『曹洞宗総合研究センター学術大会紀要』を中心とした発表、論文投稿によって蓄積されてきた、教化に関する論文の分析を行い、教化研究における傾向・手法、今後の課題を示す発表となった。

第2日目は、午前9時20分よりそれぞれの会場にて個人発表が行われた。

各部会毎の個人発表では従来の宗学や教化学に関連する分野はもちろんのこと、コロナ禍以後の社会を見据えた発表や、日頃の教化実践活動をもとにした発表など、幅広い視点からの意欲的な発表がされた。 また、かねてより行っている臨済宗妙心寺派との学術交流の一環として、本年も臨済宗妙心寺派教化センターの方からも発表がなされるなど、多岐にわたる研究発表となった。なお、発表内容は後日、総合センター学術大会紀要としてまとめられる予定である。

教化研修部門研究生によるリレー発表