宗学研究部門

宗学研究部門では、宗学に関する専門的知識及び研究技能を備えた人材の養成を行っています。
そこで、道元禅師及び瑩山禅師を中心とする曹洞宗関連の事柄について、以下のように多角的な研究活動に取り組んでいます。

道元禅師の総合的研究

本研究テーマでは、道元禅師著作の引用経論や引用語録に関する出典研究を中心に、近年はこれに加えて註釈的研究にも取り組んでいます。
令和元年度には『典座教訓』に対する研究が完結いたしました。
そこで、その研究成果を踏まえ、令和元年度に開催されたセンター学術大会20周年記念シンポジウムでは、「曹洞宗と食-『典座教訓』を中心として-」と題し、宗学研究部門でリレー発表を行いました。
現在、令和2年度からは『弁道法』を取り上げ、出典研究及び註釈的研究に取り組んでおり、その成果については随時『宗学研究紀要』にて報告してまいります。

瑩山禅師の総合的研究

本研究テーマでは、まず瑩山禅師に関する関係論文の調査・整理につとめ、『瑩山禅師関係論文集(宗門関係編)(1)~(3)』としてまとめました。
その後は『瑩山清規』を研究テーマとして共同研究に取り組んでいます。
具体的には、『瑩山清規』における7種類の写本・刊本の本文を翻刻し、それぞれの本文を対校する作業から取り組んでいます。
これにより、『瑩山清規』の本文の変遷と内容の展開について把握しようとするものです。
その成果については随時『宗学研究紀要』にて報告してまいります。

『曹洞宗関係文献目録』の作成

曹洞宗に関する文献や研究論文などを調査・整理した『曹洞宗関係文献目録』を作成しています。
学術論文はもとより、宗務庁刊行雑誌や両本山関係の雑誌なども視野にいれ、当該年度に刊行された文献について内容毎に分類し、報告するものです。
現在は平成30年度に刊行された文献について蒐集・整理しています。
その成果は『宗学研究紀要』にて報告いたしますと共に、当サイト内の「文献検索」からもご利用いただけます。

宗典のデータベース化

本研究は、平成22年度から平成31年度まで実施された「宗典データベース化プロジェクト」が当部門に移管されたものです。
現在絶版となっている、『曹洞宗全書』18巻、『続曹洞宗全書』10巻の電子化作業を中心に作業を進めてきたものです。
今後も引き続き、継続してまいります。

資料の蒐集調査及び保存

『正法眼蔵』や『伝光録』などの宗典及び関連文献の写本・刊本を可能な限り蒐集・整理し、宗典に関する研究活動の資料を作成することを目的としています。また、近年頻発する自然災害などにより、宗門の宝である貴重な宗典が損失することを防ぐため、デジタル画像データによる保存・管理を行うことも目的の一つです。将来的にはインターネットによる画像データの公開なども視野に入れ、宗門内外における活用の促進と、研究の進展に寄与することを目指しています。

このほか、講師の先生をお招きし、演習形式の講義、または講演会なども随時開催する予定です。そして、このような活動を通じて得られた研究成果をもとに、各学会や当センター学術大会において研究発表を行うほか、当部門発行の『宗学研究紀要』に論文を掲載することで、宗学に関する研鑽を深めています。

宗典にかかわる資料調査
宗典にかかわる資料調査

演習形式による宗典研究
演習形式による宗典研究

宗典資料の撮影風景
宗典資料の撮影風景