宗学研究部門

宗学研究部門では、曹洞宗学に関する専門的知識及び研究技能を備えた人材の養成を行っています。
そのための個人研究を行うとともに、道元禅師及び瑩山禅師に関する総合的研究や、曹洞宗研究における基礎資料の保存・公開などの共同研究も実施しております

道元禅師の総合的研究

本研究では、駒澤大学名誉教授である石井修道氏の指導の下、道元禅師に関する従来までの研究成果を踏まえつつ、伝記や著作、思想などの総合的な考察を通じて、道元禅師研究の進展を目指しております。
平成19年度から令和4年度までに『対大己五夏闍梨法』、『衆寮箴規』、『赴粥飯法』、『知事清規』、『典座教訓』、『弁道法』の研究成果をまとめ、『宗学研究紀要』にて発表しております。
令和4年度からは『入衆日用』(「無量寿禅師日用小清規」・「無量寿禅師規略」・「日用規範」等とも)の註釈的研究に取り組んでおり、『宗学研究紀要』第37・38号にて研究成果の一部を報告しております。

瑩山禅師の総合的研究

本研究は、瑩山禅師に関する従来までの研究成果を踏まえつつ、伝記や著作、思想などの総合的な把握を通じて、瑩山禅師研究の進展を目指しております。
最初の成果として、関係論文の調査・整理につとめ、『瑩山禅師関係論文集(宗門関係編)(1)~(3)』を作成致しました。
平成30年度より『瑩山清規』に焦点を当て、本文の変遷と内容の展開について把握するべく、7種類の写本・刊本の本文を翻刻・対校致しました
これらの成果は『宗学研究紀要』第33号から37号に発表しました。
現在は、『瑩山清規』の本文研究の総括として、これらの成果を合冊して刊行する

曹洞宗総合研究センターHP「文献検索」の更新

本活動では、曹洞宗関係の文献・論文を調査・整理し、曹洞宗総合研究センターのHPにおける「文献検索」(https://bunken.sotozen-net.or.jp/)を随時更新する形で成果を公開しております。

この活動は、『曹洞宗関係文献目録』の後継企画です。全4巻からなる本目録には、明治以降、平成31年3月までに発刊・公開された曹洞宗に関わる書籍・論文などを収録しています。

今後は、他機関の検索システムが充実してきたことを踏まえ、それらに収録されにくい、宗務庁刊行雑誌や本山・専門僧堂関係の雑誌などの、曹洞宗関係の刊行物に特化して収集・整理し、「文献検索」を更新していきます。

宗典のデータベース化

本活動は、平成22年度から令和元年度まで実施された「宗典データベース化プロジェクト」が当部門に移管されたものです。

現在絶版となっている『曹洞宗全書』18巻、『続曹洞宗全書』10巻及び関連資料の電子化作業に取り組んでおります。

この活動の成果として、令和6年度には「宗源 上」「宗源 下」を寺院専用サイトで公開しました。

資料の蒐集調査及び保存

本活動は、『正法眼蔵』や『伝光録』などの宗典及び関連文献の写本・刊本を撮影・蒐集し、近年頻発する自然災害などから貴重な資料の損失が無いよう、デジタル画像データによる保存・管理を行っています。
また、将来的には蒐集・撮影したデータの公開なども視野に入れ、曹洞宗学をはじめ宗門内外における研究の進展に寄与することも目指しています。

これらの共同研究や活動に加え、演習形式の講義や講演会などを随時開催しております。また、各種学会や当センター主催の学術大会において発表を行うなど、定期的な研究成果の報告を行なっております。

 
宗典にかかわる資料調査


演習形式による宗典研究


宗典資料の撮影風景